大体いつもひとり

外国語を外国でがんばっている ※外国語はあってないので引用しないでください

すべての音の波動が目に見え、肌が震えるさわがしさ

たまに連れて行ってもらうバーで見ず知らずの人と話す機会がある。ひとりは好きだが、こうして社会の団体のなかに身を投じるのは自分の世界を広げるのに必要だ。

自分から豪快に知らない人グループの輪に割って入り、しかも会話の中心になってしまうパートナーにはほとほと感心する。私が育った環境ではなかった世界、半時間後にはショットを互いに振舞いあって肩を組んで笑っている世界。頭上でビールのおかわりが飛び交い、みな信じがたい声量で会話する。海賊船のなかはきっとこんな感じに違いない。

こんななかで私はどうするかというと、大体やや年配の人を見つけるとうまくいく。

しかも腕に余すところなく入れ墨をいれた2mぐらいの大男。こちらが小動物になったつもりで接すると意外と優しくしてくれる。何食べてそんなデカくなったんだ、とカタコトで聞くのがいつもの戦法だ。予想される返答はネイティブスピードでもそこまで難しくないし、知らない食べ物なら話が広がる可能性もある。

そのように強面の大男の厚意につけこみ、今日は賭博の一部始終を間近で見学させていただいた。大当たりしても盛り上げ下手なので、もはや日本語でヤッタネー!というばかりであった。それでもガハハと笑って、何が当たったか身振り手振りで説明してくれた今日の人ありがとう。